沿革
日本婦人科腫瘍学会の沿革
日本婦人科腫瘍学会は、現名誉会長である故栗原操寿先生、天神美夫先生ならびに野田起一郎先生の3先生が中心となって昭和50年8月に創始された日本コルポスコピー研究会に端を発します。昭和57年8月より日本子宮頸部病理・コルポスコピー学会に改称され、翌年、学会誌第1巻が発刊されました。昭和60年7月には、学会の更なる発展のため日本婦人科病理・コルポスコピー学会に改称されました。平成6年には、これまで本会と並行して開催されてきた日本卵巣腫瘍病理研究会が本会と合体する形で開催されるようになり、平成10年7月には両者は合併して日本婦人科腫瘍学会となりました。学会誌も第16巻2号から日本婦人科腫瘍学会雑誌と名称を変えました。
従来、婦人科腫瘍学は各種専門領域に分かれて学会、研究会活動がなされてきました。一方で、婦人科腫瘍学全般にわたって知識を網羅・集約する学会の存在が望まれていました。また、米国婦人科腫瘍医会(SGO)や欧州婦人科腫瘍学会(ESGO)、国際婦人科癌会議(IGCS)、国際子宮頸部病理・コルポスコピー(IFCPC)、国際外陰・膣疾患研究会(ISSVD)、国際婦人科病理学会(ISGYP)などとの窓口を果たす機構がわが国には設立されていませんでした。そこで、平成13年7月に本会は日本婦人科腫瘍マーカー・遺伝子診断学会、日本婦人科悪性腫瘍化学療法学会および子宮癌研究会の3学会と合同合併し、新たな日本婦人科腫瘍学会として発足することになりました。
4学会の統合によって会員数は3,100人を超えるようになりました。婦人科腫瘍全般にわたって幅広く総括的な視点から、病理、診断、治療および分子生物学に関する研究を進めるとともに、各分野を有機的に結びつけてより大きな成果が得られるよう、本会は努力しています。
また、統合前の学会・研究会の特徴を継承して、各々の学術集会においては工夫を凝らしたシンポジウムなどが企画され開催されています。原則として、春期集会は婦人科腫瘍の診断(病理、コルポスコピー、遺伝子診断、腫瘍マーカーなど)に関する分野に、秋期集会では婦人科腫瘍の治療(手術、化学療法)に関する分野に重点を置く形式がとられています。学会誌は、平成14年からは婦人科腫瘍学会雑誌として一本化され、年4回発行されています。平成16年12月特定非営利活動法人日本婦人科腫瘍学会として活動の場を広げ、婦人科がんの診断、治療に関するガイドラインを作成を進めると共に、婦人科腫瘍専門医制度の確立に向け更に努力してまいります。